英語教育よもやま話

英語教育関連の情報提供を通じ、相互交流できればと思います。

言葉だけでは動かない!!

先週は、塾経営者のためのセミナーを見学させていただ
いた。この業界では珍しく有料のセミナー(一般のセミ
ナーに比べるとそれでも安いが・・・)であったが、そ
のおかげか参加者の学習姿勢が高く、大変熱心な先生方
が参加された良いセミナーだった。

 主催の森智勝氏の「『学び』と『気づき』を大切に」
のスローガンのもと、家内制手工業的経営からの脱却の
ために様々な提案がされた。

 私にとって、とくに印象深かい内容の一つは、IS行動
科学マネジメントの石田淳氏
のセミナーであった。
 マネジメントの際に、どこに注力すべきかを行動科学
としてのアプローチから説いたもので、いくつか印象的
なキーワードが頭に残った。
 
 「人はことばと行動で成り立っている」

 多くのマネジメントセミナーで聞かれるのは、「ことば」
による変化の事例の話が多い。確かに「言霊」としての言葉
が持つ変化のパワーは否定できない。しかし、それに呼応し
て変化できる社員は、「『2:4:2』の法則」の上位20%
であり、多くの普通の社員が本当に変化するためには、やは
り「ことば」だけでは不十分。具体的な「行動」を変えるた
めの方途なのだ。
 
 「やり方」と「その方法を実行し継続すること」ができれ
ば誰でも成果がでる。


人が自発的に行動するために・・・
 「have to 〜」から「want to 〜」の社員へ
 「理念をインストールする」
 「社内の人間関係がよいこと」
 
 石田氏のセミナーの内容は、そのまま生徒指導に活かせる
ものだ。私たちが、実施している実践セミナーの内容とも、
リンクしていて強い共感を覚える内容だった。
 なぜ楽しい授業でなければならないか?、褒めることの大
切さ、具体的な指示の大切さ、継続して学習していくための
工夫の大切さなど示唆に富んだ内容となった。

また、社員表彰としてよくある月刊MVPなど社内競争を煽る形式は、
上位集団の社員のモチベーションだけが向上し、全体のパフォーマ
ンスを結果的に下げてしまうという話も興味深かった。
 集団のポテンシャルを全体として向上させるのには、絶対目標
レベルをクリアした全員を評価対象にするという考え方が大切だ
という指摘は、生徒へのポイント設定にもすぐつかえるよい実践
事例だろう。

 但し、具体的な成功モデルとなる行動を示すためには、ブレイ
クダウンして提示するためのモデルが大事なのは言うまでもない。
自社の経営に置き換えると、そのモデル足りえているのだろうか
と思わず自問してしまった・・・・

いずれにせよ、本当に勉強させていただきました。ありがとうご
ざいました。

小学校英語教務主任アンケート結果から

ベネッセが全国公立小学校の教務主任3503人を対象にアンケート
を実施。
 それによると、小学校で英語教育を行う場合に望ましい開始学
年について「小学校1年生から」の回答が45.6%でトップ
「小学校3年生から」続いて20.5%となった。(中教審が唱えている
小5からの必修化を望ましいとした先生方は10.1%)

 但し、必修化については慎重な意見が多く、「反対」「どちらか
といえば反対」が56.9%と現場の主任クラスの先生方の意見とし
ては、「英語教育は必要だが、必修化には反対という人」が多い
ようだ。

現在指導している状況については
 指導担当は、ALT(AET)が92.3%、担任指導が86.8%で、ほとん
どの場合、ALTと担任が指導している。但し「学級担任が教えるの
が良い」25.0%に対して、「専門の先生が教えるのが良い」73.5%
となっている。

また校内での教師研修の実施については、54.9%が全く実施してい
ない
という回答だった。
 気になる課題については、「指導する教員の英語力」40.6%、
「教材の開発や準備の時間」38.2%、「指導のためのカリキュラム」
32.9%、「教員研修」31.2%などがあがっている。

講評

 英語学習を早期からさせることについては、「小1から」、また
は「小3から」がよいという答えが多いことから、現場では早期教育
の効用があるとの実感が高いといえる。
 中教審の方針よりも、より早期の開始の方がよいという意見が主
流のようだ。ただし、必修化となると諸々の条件整備について、不
満が多いということだろう。これらは、課題についての意識と同様、
指導することへの不安の表れではないかと思われる。
 担任が指導するための整備ができていないため、専門の先生の補
充による指導体制の整備を望む声が強いと解釈できる。

 

書画家 大野勝彦氏に会う

今回は、直接英語教育とは関係ありませんが、感動的な出会いだった
ので、ご紹介させていただきます。

 出張で熊本のお客様を訪ねた折、大野勝彦さんという書画家にであ
うことができた。この方は、農作業中にトラクターに手を挟まれ、両
腕先を失ってしまい、10数種の義手で生活をされている。腕で微妙な
筆さばきをして書を書き、絵を描かれるのだ。

昨年9月にオープンしたばかりの阿蘇にある「風の丘阿蘇大野勝彦美
術館」
に案内いただいた。
 年間100回以上の講演で、全国を飛び回る多忙な大野さんは、美術館
に滅多に居られないのだそうだが、幸運にもその日は館にいらっしゃ
った。何と幸運なことか。不思議な縁に感謝せずにはいられない。

なんともやさしい笑顔と深い愛情に満ち溢れた姿で私たちを迎え入れ
てくれた。館長のお話だと、事故にあわれる前は、典型的な「肥後も
っこす」でそれはそれは頑固で、我の強い男だったそうだ。しかし、
今は全く別人のように、やさしさと感謝に満ち溢れた穏やかな気持ち
で過ごされているとか。世界観が大きく変化されたのだ。

確かに、書かれている文章、絵には、本当に深い愛情とやさしさが満
ち溢れている。

 それにしても何と強い人なのだろう。一つ一つの作品と氏のやさし
い表情に、心洗われ勇気をいただいた。
大野さん画集


 大野美術館の館長とお話させていただく間に、私が付き合いのある
やはり書道家の武田双雲氏の話になり、同じ熊本出身ということで、
ぜひ紹介して欲しいとの話となり、話をつながせていただいた。
 ちょうど、武田氏もNHKの取材で熊本による機会があったとのこと
で、スムーズに話がすすむ。これも、不思議な縁。

 仕事の合間に、すばらしい経験をすることができた。忙しい中、ご
案内いただいた先生には、心から感謝申し上げます。ありがとうござ
いました。
 きちんと仕事もしていますので、念のため補足ながら・・・
さらに、出張先でのこうした機会を、御客様におねだりしている訳で
もありません。誤解なきよう補足させていただきます。
 もちろん、こうした機会のお誘いは、喜んでお受けいたします!

熊本の小中一貫校では・・・

 熊本の教育特区として取り組んでいる富合小学校では、1年から
英語科を設置し授業を行っている。

 ここは「小中一貫教育特区」。通常の「6・3制」とは異なり、
4・3・2制としそれぞれ前期・中期・後期としてカリキュラムを編
成している。国際科を設置し、英語教育、英語活動、国際交流、
伝統文化活動、情報教育などを行っている。
 小1〜4年は20分×2コマ/週、小5〜6年は45分×1.5コマ/週。
中1では、週4コマをとる。前期は、聞く・話すを中心にゲームや
ごっこ遊びを通じた英語活動を実施。小5・6では、中1の英語教
科書に入り、中1では、中2内容の習得を目指す。この中期終了時
に英検5級以上の全員取得を目標にしている。
 また中学の英語教員が小学校の英語授業を担当している。中学ま
での一貫カリキュラムとなったことで、従来の中学校からの英語授
業よりも「ゆとり」ができて、会話活動や、文化紹介の時間的な余
裕がでてきているという。中3終了時には、全員英検3級以上の取得
を目指す。

 金沢市のケースのように、こうした小中一貫のプログラム化によ
る英語指導のメリットがでてくるだろう。小学校英語導入より中学
英語の指導内容、方法が変化し、より良い指導の実現となることの
良い実証例となるだろう。

教育再生会議の行方は

このところの痛ましい「いじめ」による自殺を受けて、
教育再生会議からも先日(10月25日)「いじめ緊急アピール」
としてメッセージが発信されました。これは、野依良治、池田守男、
義家弘介の連名で発表されました。「子供たち」「学校関係者」
「先生」「地域の皆さん」「評議員、PTAの方々」「保護者」それ
ぞれへのメッセージとして出されました。
 先生へは、「先生はもう一度『いじめは絶対に許さない』という
ことをはっきりを子供たちに言ってください。そして、ローテーショ
ンで休み時間にクラスを回って子供に声をかけてください。子供に正
面から向き合うことが先生の仕事です。また、先生自身が知らず知ら
ず野うちにいじめの要因になっていることがないか、振り返ってくだ
さい。」とある。公私立を問わずすべての子供に関わるものとして、
意識しなければとの思いで掲載させていただきました。

 それにしも、学校だけでなくもっといろいろな社会関係、生きる場
をもてれば、こうしたことは減るだろうにと思えてなりません。
自殺までしてしまった子は、不幸にも学校以外の場の存在に気づけな
かったのでしょう。狭い空間に閉塞してしまわないように、気づきを
促せればと思わずにいられません。

 一方で、文科相発言などをみると、これを契機に一層の教育委員会
の権限強化を図る方向性の発言が目立ちます。しかし、教育委員会の
権限強化は、上からの管理強化が強まり指示、介入が増えるだけで、
どんどん現場を息苦しくしてしまうのではないかと心配です。
もっと現場に自由と権限があるほうがよいのではないかと思えてなり
ません。
 再生会議メンバー中の現場を知る委員の方々の活躍を期待しており
ます。